TOTO事故死 請負社員遺族が全面勝訴

大手メーカー「TOTO」の滋賀工場で請負契約の男性が作業中に死亡した事故を巡り、両親が、実際は偽装請負で事故の原因はTOTOにもあるとして損害賠償を求めていた裁判で、大津地裁はTOTOなどに6,000万円の支払いを命じる判決を下しました。

TOTO滋賀工場で働いていた西野尾茂信さん、当時39歳。

請負会社の社員だった西野尾さんは、2008年5月、仕事中に機械に頭を挟まれ死亡しました。

両親は、西野尾さんが直接TOTO社員から指示を受けていて、実際は請負ではなく派遣契約に当たるいわゆる偽装請負で事故はTOTOにも責任があるとして1億円の損害賠償を求めていました。

「TOTOには全然責任ないと。茂信が勝手に現場に入って勝手に事故にあったと向こうは全然認めていない」(父親 西野尾末吉さん)

裁判でTOTO側は「西野尾さんは請負会社の指示で働いていて派遣社員ではない」と争ってきました。

22日の判決で大津地裁は、西野尾さんがTOTOの指揮命令の下で働く偽装請負の状態で、事実上、派遣社員だったと認め、TOTOと請負会社に対し6,000万円余りの支払いを命じました。

「茂信が帰ってくるわけではないので・・・。今後、こんなことがないようにお願いしたいです」(兄 吉治さん)

TOTOは「判決文を見た上で、今後の対応を考えたい」とコメントしています。