TOTOの労災事故訴訟 約6100万円の賠償支払い命令 大津地裁

大手衛生陶器メーカー「TOTO」(北九州市)の滋賀工場(滋賀県湖南市)で平成19年5月、機械に挟まれて死亡した同県甲賀市の西野尾茂信さん=当時(39)=の労災事故をめぐり、遺族がTOTOなどに約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大津地裁であった。石原稚也裁判長は原告の訴えをほぼ認め、TOTOなどに計約6100万円の支払いを命じた。

判決理由で、石原裁判長は「TOTOと請負業務の現場との間には実質的な指揮監督関係が存在していた」と指摘。事実上、偽装請負を認めた。

判決によると、西野尾さんは19年5月、滋賀工場で、水洗トイレタンクを製造するラインの修理作業中、機械と支柱の間に挟まれて死亡した。

西野尾さんの所属する派遣会社は、TOTOの製造委託会社と契約。原告側は「安全管理は実質的にTOTO側が行い、指揮監督下にあった」、TOTO側は「製造ラインの指揮監督は別の請負会社が行っていた。事故は本人の過失が大きい」と主張していた。

TOTOは「判決文が届き次第、内容を見て対応を検討したい」としている。